この記事では60代女性の日常使いにぴったりなダイヤモンドリングの選び方と着こなし方を解説します。私はプロの宝石鑑定士でジュエリー選びのお手伝いをする専門家なので、これまでの経験を元に書きます。
60代女性の日常使いにぴったりなダイヤリング選び方と着こなし術
60代女性の日常使いにぴったりなダイヤリングの選び方と着こなし術を解説します。
選び方のポイント4点
60代女性の日常使いにぴったりなダイヤリングの選びには4つのポイントがあります。
高品質で大人の品格を表すもの
60代のダイヤモンドリング選びでは高品質で大人の風格を表すものを選びます。子供っぽい華奢なものは年齢を重ねた手には似合いません。
たとえば左写真のように2ct以上のしっかりした石のリングを選びます。右の写真のダイヤは0.2ctです。品質に関しても上質なものがいいでしょう。ダイヤの評価基準である4Cのうち、カラーがG以上、クラリティがVSクラス以上の鑑定書がついたきれいなものを選びます。
シンプルで飽きがこないもの
デザインに関してはシンプルで飽きのこないものがいいです。60代女性は一通りいろんなジュエリーを試してきて、最後はずっと着けていても見るたびに新鮮な気分になる定番のものを好む傾向にあります。
写真の左はシンプルなデザインで他のジュエリーと合わせて着けられます。右はデザイン性が高いので、30代や40代で冒険のひとつとして楽しむタイプのデザインです。
太さがあるもの
ダイヤモンドのリングの幅は太いものがいいです。60代は手の節が太くなってくる年代なので、細いと節が目立ってしまいます。
写真左の幅が広いリング(1cm以上)は60代の女性の手のお悩み(しわやしみ)を隠し、優雅な手元をつくってくれます。右はかなり細いライン(2ミリ)なのでこれから年齢を重ねることを考えると幼い印象を与えかねません。
動作の邪魔にならないもの
家事や仕事に忙しい60代女性には動作の邪魔にならないものがいいです。家具の角に当たってキズがついたりはずれやすくなったりするからです。
写真左のダイヤモンドリングは石のでっぱりがないので通常の動作でかちかちと家具に当たることは少ないでしょう。右はダイヤモンドの位置が高く、衝撃の際に石にキズがつく可能性があるので控えるといいです。
着こなし術3パターン
60代女性が還暦プレゼントのダイヤモンドリングの着けこなし術3パターンを紹介します。日常のシーンに合わせて提案します。
美術館へ行くとき
美術館に行くときはお気に入りで歩きまわりやすい服にボリュームのあるダイヤモンドリングを合わせます。美術館は天井が高く、空間も広いので、大胆なダイヤリングをつけるといいです。
ここでは華やかな赤のシャツに柄物のスカーフにあわせます。ネックレスをしないので、ダイヤモンドリングでアクセントをつけます。デザイン的にも高さが低く、家具や建造物に当たらないものを選びます。
旅行に行くとき
旅行にはシンプルかつ大人の風格が出るものを合わせます。旅には持っていける服やジュエリーが限られていますが、TPOは様々です。カジュアルな場所もあればきちんとしたレストランにもいくことも。どんな場面にも合うダイヤモンドリングを選ぶといいです。
写真ではカジュアルなボーダーとアクティブなパンツスタイルに合わせてエメラルドカットのダイヤモンドリングを合わせます。真ん中のダイヤのほかに余計な装飾がないので、カジュアルな場所にも着けられます。きちんとした場所に行くときもこれだけしっかりしたダイヤがあると臆することがありません。
友人との会食のとき
友人との会食にはシンプルかつエレガントなダイヤモンドリングを選びます。女性同士は身に付けているものが話題になることが多いです。悪目立ちせずファッションに溶け込んだものを選ぶといいです。
写真では白のフェミニンなブラウスと白のパンツ、カバンのオール白コーデにゴールドのダイヤモンドリングを合わせます。白の中にゴールドがはいることで華やかさが増します。
実際の接客をレポート
実際に60代女性の日常使いダイヤモンドリングを購入した様子を書きます。実施したのは2024年2月16日で、場所は表参道のジュエリーサロンでした。
今回の相談を受けたのは、20年前から付き合いのあるWさん。東京の大田区の戸建てにお住まいです。はつらつとした様子と可愛い笑顔が印象的です。
塾を経営されているご主人と成人した息子さんの3人ぐらし。
ご主人は塾を経営していて朝早くから夜遅くまで働いていたので、子育ては奥様がほぼ一人でがんばってきました。奥様の実家は山口なので親を頼ることもできずしんどい時期もありました。
それでも力を合わせて家庭を作ってきました。時間をみつけて夫婦の共通の趣味の旅行に出かけました。旅行中はご主人が子供をつききりで面倒見たので、奥様はゆっくりと休むことができました。
日曜日の夜は唯一家族が一緒にご飯を食べる時間だったので、餃子やコロッケなど家族が好きなものに腕を振るいました。
子供は幼稚園から私立でした。通学時は朝のラッシュに巻き込みたくないという方針で子供の進学のたびに引っ越しました。奥様は片付けが得意で引っ越しは全く苦にならなかったとのこと。
子供も成人し、Wさんも仕事をはじめて友人との付き合いも増えたので、またおしゃれをしたいという気持ちになり今回のダイヤモンドリングの相談にきました。
Wさんは、サファイヤのリング、ルビーのイヤリング、真珠のネックレスをお持ちです。
今回用意したダイヤモンドリングについて
今回はWさんの好みに合わせたダイヤモンドリングを5点用意しました。ホワイトゴールド(白系)が好きなので地金は統一しました。
デザイン | 特徴 |
ホワイトゴールド・幅広い・メレダイヤ4列 | 着ける指によって印象が変わる |
ホワイトゴールド・3ctのエタニティ―リング | 手の内側にもダイヤが入っている |
ホワイトゴールド・バゲットカット1列のリング | 石のカットが希少 |
ホワイトゴールド・丸みのあるメレダイヤ3列のリング | ボリュームはあるが品が良い |
ホワイトゴールド・バゲットとラウンドのミックスのリング | 着け心地がいい |
幅広いメレダイヤ4列ダイヤリングを試着する
まずは幅広いメレダイヤ4列のダイヤリングを試着しました。中指に着けるとモードな雰囲気に、中指につけるとファッショナブルな雰囲気になります。
これは指へのフィット感がありますね。
薬指の結婚指輪とぶつからないし、着けやすいですよね。ダイヤもきれいなクラスを揃えているので、きらめきが強いです。
ギラギラはしませんか?
ダイヤは昼間の光ではギラギラしないんです。夜のライトで光りますが、上品な光り方なので、心配はいらないです。
Wさんは大人しい性格の方なので、派手なものよりも品のよいものが好きです。ダイヤの光の様子については、心配にならないように説明が必要だと思いました。
3ctのエタニティ―リングを試着
次に3ctのエタニティーリングを試着しました。エタニティリングとは指の内側にもダイヤが入っているリングです。
これは手のひらを見たときにもダイヤが光るんですね。
これくらいの大きさのダイヤを止めるには高い技術が必要なんです。ダイヤは石の中で一番キズが付きにくい硬さなので、このデザインが成立するのです。
これ1本でも素敵ですし、お手持ちのダイヤのリングとも合います。
ダイヤ同士は組み合わせが楽ですね!
ダイヤのリングを選ぶときは、すでに持っているダイヤのリングとの相性を考えます。エタニティリングのデザインはいわば万能なので、どんなリングとも合う優れものです。
バゲットカット1列のリング
バゲットカット(長四角)のリングを試着します。
同じデザインでも石の形が変わると全く印象が変わりますね!
バゲットカットのエタニティはありそうでなかなかないんです。石のセッティングが難しいので熟練の職人しか手掛けなくて。
そうなんですね。私はこだわりのものが好きだから惹かれますね。
Wさんはストーリー性のあるものが好きなので、デザインや品質以外でストーリーのあるものも見てもらいます。
丸みのあるメレダイヤ3列のリング
丸みのあるメレダイヤリングを試着します。
これは厚みがあってボリュームがでますね!ダイヤもすごく綺麗。
このタイプはまさに年齢を重ねた方に着けていただきたいデザインなんです。若い方がつけるとジュエリーに着けられている感じになりますが、奥様の年代だとジュエリーに負けないのです。
今までの3点の中で一番ダイヤも多くて目立つのに、なぜかイヤな感じがしないです。
上質なものは決して悪目立ちしないですね。奥様の雰囲気にあっていますね。お手持ちのものの中で一番華やかですが、これから活躍の場がたくさんありそうです。
今回は、同じ日常使いでもランクアップさせたものを着けていただきたいなと思っていました。ジュエリーは同じランクのものだけにならず、「ちょっと冒険かな?」と思うものを持つことでいい思い出になります。
バゲットとラウンドのミックスのリング
最後はバゲットとラウンドのミックスのリングです。
こちらは変わったデザインですね!いろんな形のダイヤが入っています。
そうですね!こちらは1本でかなり存在感がありますね。中指に着けるのがお似合いです。
手を動かすと印象が違って見えますね!面白いです。
これまでのリングの中では一番はめやすいかもしれませんね。ある程度太さがあった方が指馴なじみがいいですから。
確かに指輪を着けてる!という感じもないくらいフィットします。
ダイヤモンドリングを試着する際、着け心地を確認することも大事です。指輪によってはわずかな凹凸があって、長く着けていると指が疲れてしまうことがあります。
購入はバゲットとラウンドのミックスのリング
最終的にバゲットとラウンドのミックスのリングに決まりました。丸みのあるメレダイヤのリングと悩みましたが、抜群に着けやすいことと、デザインのユニークさが決め手になりました。
お客様の感想
60代になって周りの友人たちも子育てが終わり、自由な時間が持てるようになりました。時間を見つけては友達をランチに行くことが増えたので、普段使いのダイヤリングが活躍してくれそうです。
これまで購入したジュエリーも一般的なものよりもどこかアートを感じるものや人と同じでないものが好きなので、大満足です。夫も良く似合っているとほめてくれました。
洋服はすっきりしたシルエットのワンピースが好きなので、ダイヤモンドリングがアクセントになりそうで嬉しいです。
購入にあたりプロとして考えたこと
今回は品質やデザインがいいのはもちろんのこと、これからいろいろな場所に出かけることを考え、できるだけ多くの場面に使えるものを選びたいと思いました。
奥様の可愛らしさやファッションに一番しっくりくるダイヤモンドリングを選ばれたと思います。
最後に
60代女性の普段使いとしてのダイヤモンドリング選びでは
- 高品質で大人の品格のあるもの
- シンプルで飽きがこない
- 太さがある
- 動作の邪魔にならない
ものを選ぶといいです。
活動の場が広がる年代なので、どんな場面でも使えるものという視点を持ちましょう。
母の日のジュエリープレゼントはこちらの記事も参考にしてください。
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